舘山の数奇な歴史

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曹洞宗舘山寺と愛宕神社がある山は、「舘山」です。

舘山にあるお寺で舘山寺なので、舘山寺のある山で舘山寺山と宣う方がいますが、大間違いですよ。

正しい読みかたは「たてやま」「たちやま」なのか?

愛宕神社の幟に「太刀山」と書かれていますので、「たちやま」かも???

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舘山は、明治以前は堀江城の大沢家の領地であったでしょうが、
明治維新後は、誰の所有でしょうか。

登記簿によると、(読めるでしょうか)

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明治41年に帝室林野管理局長官が保存登記をしています。

帝室林野管理局とは、御料林の管理経営をしていたところで、現在宮内庁にあたる部署です。
いわゆる、舘山の払い下げのため、登記したということになります。

明治43年に堀江村社愛宕神社に払い下げをしています。
地目は保安林と認定されています。

保安林は、目的別に17個定められていて、舘山は風致保安林となります。

「風致林」は、明治30年制定の森林法において、社寺名所または旧跡の風致を添える保安
林として設定されています。ですから、愛宕神社に払い下げたことで、舘山は保安林として認定されている事でしょう。



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多分その払い下げ代金がなくて、払い下げ代金を得るために

明治44年(1911)に

存続期間 90年   地代 2,500円  地上権者  池谷氏・飯田氏・新村氏の「地上権設定」の登記をします。

地上権とは、その土地の使用収益を地上権者が行える権利であって、所有者はその土地を使うことができないのです。


その後、地上権は地上権者が転々として、


大正元年 新村氏の持分を池谷氏に地上権持分移転

大正2年 池谷氏の持分を飯田氏に地上権持分移転・・・飯田氏が全部を取得

大正2年 飯田氏から株式会社日本商業会社に地上権移転

昭和5年 鈴木合名会社に地上権移転

昭和9年 落合氏に地上権移転

昭和12年 聖観音像が建立されますが、落合氏も承諾。

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昭和22年 加藤T氏に地上権移転

昭和27年 石塚氏・山崎氏地上権移転

昭和28年 加藤M氏(未成年・親権者加藤T氏)に地上権移転
      加藤T氏が、入山料の徴収をしたが、観光協会で建て替えたそうです。

昭和35年 堀野氏に地上権移転

昭和41年 2232-1、-2、-3と分筆。

昭和41年 堀野氏の地上権移転抹消

昭和41年 東T氏に地上権一部移転

昭和41年 地上権への賃借権設定 浜名湖舘山寺株式会社 代表 東H氏

昭和44年 2232-2を小野氏に地上権移転(現サゴーロイヤルホテル部分)

昭和47年 齋藤氏に地上権移転

平成6年 斎藤氏の相続人に地上権移転

平成6年 地上権抹消

  明治44年から存続期間90年満了まであと7年、なぜ待つことができなかったのか?



平成9年 愛宕神社から舘山寺町自治会へ所有権移転

平成14年 2232-2につき サゴーエンタープライズ株式会社に所有権移転



と、現在へ続いています。


今、舘山は舘山寺町自治会が所有者ですので、舘山の遊歩道を「舘山クリーン作戦」と名付けて、年2回町民の皆さんが掃除をしています。




投稿者  佐藤和真





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